インストラクターの仕事とは、受講者の「個人の能力を本人に気づいてもらうこと」にある。だから「講師が熟練した話術をきかせるための場」ではない。講師が(あなたを)この方向に導きたいのですよ!とハッキリ旗をふり、いくつかの課題を用意してそれを乗り越えさせ、「いかに理解してもらえたか?」についても気を配る必要がある、のだ。

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基本は「説明力」からスタートする。これがあやふやであってはいけない。まず自分本人が十分に理解しておくこと。これは事前の準備のことである。そして聞き手を分析し(相手を知り)、全体を示す予告をし、順序よく話していく。

「子供に靴ヒモをうまく結ばせたい。あなたならどうする?」、この子供はヒモのついた靴をはくのは今日がはじめてです。結び方は知りませんが、子供は自分で靴ヒモが結べることが楽しく期待に胸ふくらませています。あなたならどう教える?という課題です。どういう説明(説得)をするのが最適な方法なのか…あなたなりの方法を示して下さい。

    「答え」
            
  1、まず「出来上がり」を見せる。このようにする(なる)のだよ、という完成品を見せることによって方向を示し関心を集中させる。
 2、いったんほどいて、ゆっくり結び、手順をはっきり示してやってみせる。
 2、ここでやっと子供にやらせる。うまくできたら努力をほめてあげる。
3、間違えそうになれば具体的に注意する。
 4、それでうまくいっているかどうか、確認(調べ)させる。
 5、失敗の場合は、何が問題だったのかを考えさせる。(再度教える)
 6、最終的にすべてを子供にまかせ、自由にやせてみる。

これらのプロセス(過程)は多くのことに当てはまります。

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  料理教室で、先生が、今日は□□□□を作ります。と言って材料を示す前に、その料理の完成品を写真などで具体的に生徒に示してやったほうが完成度の高いものが出来ます。生徒の頭の中にイメージが出来ているからです。そしてわかり易い言葉で順序よく話し、誤解しやすいポイントを指摘し、適所で質問させ、(ない場合は、よくある質問…として解説し)、重要なポイントをくり返して終わります。最後は期待と激励の言葉をお忘れなく…。

無題日本料理

 「ことば力」

学力や財力という言葉はあるが、私はあらたに「言葉力」という新語を提案したい。言葉ひとつで人に希望を持たせ活性化させることもできるが、言葉の使い方で人を殺すこともできる。それほどに言葉はすごい力を持っている。
           
まさに偉大なパワーである。これを巧みに操ったのが小泉元総理であった。彼は派閥や財閥もなかったが、ただ一つ「人を煽動する、」という政治家として最高の能力を持っていた。「自民党をぶっ壊す!」と叫んで総理大臣の地位を得た。

 「話のポイント」
            
 考えながら話す人がいる。考えながら言葉を探すので「え~う~」の意味不明の間言葉が生じる。あれは思考の休憩時間のようなものだ。考えながら話してはいけない。話す前に考えるのだ。
 結論を出してから話すようにすると「え~う~」が消える。練習方法としては、まず結論を先に言っておくと「理路整然」に近い話の展開が可能となる。支離滅裂が防げる。
            
      (実例)
  今日は「努力のすばらしさ」についてお話します。(…と結論をまず言う。そして話を展開する)。
  昨年12月21日の宮日新聞の「この人」という欄で紹介されていた小林浩美さんという37歳の奥さんは、子供の頃から「全身の筋肉が衰えていく障害」のため歩くことも困難でした。その彼女がなんと昨年のアジア障害者スポーツ大会で、パワーリフティング女子44キロ級に出場し、優勝したのです。彼女がそれほどの力を発揮したのはこんな理由があります…
            
   〈注意すること〉
 この話の展開で、「いつだったか…たしかなんとか新聞のなんとかいう欄に載っていたのですが…」 と言ってはいけない。その話の信頼度がスタートからくずれてしまう。ここは頑張って、□月□日の宮日新聞の「この人」という欄に載っていた。とハッキリ言わなければならない。あとは自由にしゃべってよい。