日本人はカメラ好きが多い。欧米のマンガによる日本人のイメージは「小柄でメガネでカメラをぶら下げている」姿で描かれている。携帯電話カメラで傍若無人に「取りまくる」姿をよく見かける。あれは写真というより「そこにいた証明」と「興味があるものはコレです!」という気持による突発的な行動に近い。まさに一億総カメラマンである。しかし目前の映像が一枚の写真として固定される不思議さや、撮って「贈呈」したときに喜ばれることから東京のAカメラマンについて修行することにした。

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A先生のスタジオがある港区青山。 国道246号線青山通りはおしゃれなビルが多い。午後1時30分から開講とパンフにあったので、すこし早めに訪問した。講習が始まり、各自ニックネームで呼び合うようにと名札をつけた。先生もニックネーム。たしかに堅い苗字よりも語りかけやすい。若い先生らしいアイディアだ。 まず「撮り方姿勢の改善」の実習。これまでの常識を破る「姿勢」に驚いた。 普通は立って前方の被写体に向かってカメラを向けるが、A先生はアーチェリースタイルとでも言うべき「横構え」を推奨する。やってみると確かにそのほうが見た目に格好いい。そして画面の縦サイズ撮りの構えはシャッターポタン位置を下にする。このほうがスマートである。 カメラマンが不細工にカメラを構えるよりスマートに構えたほうが良いのは言うまでもない。

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 TBS前で  新宿末広亭

 次に「撮り方」。人物撮影の場合は「表情」が大事だ。 しかし、これまでの一般的な撮り方は「被写体」を前に置き、露光関係を調整後に「ハイ!笑って」と号令をかけてシャッターを切る。これだと「よい表情」の瞬間をとらえるのが難しい。そこでこの改善方法として… A先生が推奨するのが「連写」である。露光構図を適正にしたあと、被写体人物を画面上に固定させず「動かす」のだ。はじめからカメラのほうへ向かせて構えて待つのではない。モデルを動かし(リハーサル要)モデルがその動作に慣れたところで、それを「連写」する。このときモデルと対話しながら「動作」を和ませることが大事だ。連写の中に一枚か二枚まさしく「動きのある瞬間」が記録されることになる。 この実現のためには習熟が必要だ。連写はスポーツ場面だけではない。ポートレート撮影に応用するA先生の着眼は脱帽ものである。 カメラマンの「一生懸命さ」はモデルにも伝染するので、撮影者も〈楽しみながら〉するとよい。

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  赤坂サカス 東京タワー

次に構図。 たいていは被写体を画面中央に持ってくる。ピント合わせもラクであるし、モデルの表情も細かく把握できる。しかし写真的にこれは「日の丸写真」とも言われ 平凡である。これを打ち破るには井型構図とも言うべきものへパターンの変更をするとよい。 ポイントが中央のみ1箇所にあった単純構図から、4箇所にする。ただしこの場合ビント調節に注意しないと「ピンボケ」になることがある。私も実際に実習で試 みたがピントの変更を忘れて多くがピンボケになってしまった。これも用意周到さと習熟が要求される。被写体に気をとられるとピント調整を忘れる。 かれこれしているうちに終了時間になった。 宿題は写真一枚を紙またはデータで次回持参すること。その写真には先生が言われたことを実現していかねばならない。