かつて「ライトミュージック・コンテスト」「ヤマハ・ポップコン」などアマチュア音楽が隆盛をきわめた。 その中からプロになった人は数多い。しかしプロにはならなかったが趣味として脈々と音楽を楽しんでいる人も多い。年令的には団塊の世代に入る。子供も孫もいる。そんな「おやじバンド」にスポットライトをあて、演奏の場を設定し観客を集め、テレビ放送しようではないか、との夢を実現したのがタウン誌「ラタム」の九鬼清臣さんだった。時代を敏感に読むタウン誌ならではの企画である。テープ審査などの経て10バンドがMRTミック・ダイアモンド・ホールで2008年2月3日に本選演奏を行なった。テレビ特番として18日に放送された。

  

2月4日(月)の宮日新聞を見てみよう。平均年齢40歳以上のバンドが競いあう「おやじバンドコンテスト」(パームス企画主催)が3日、宮崎市のMRTmiccで開かれた。一次審査を突破した県内の10組のフォークソングやポップスなどを熱演し、会場を沸かせた。熟年世代を音楽で勇気づけようと初めて開催。出場者たちは、おそろいの衣装を見に着けたりダンスを加えたりと存分にステージを楽しんだ。しっとりと聴かせる曲ありリズミカルな曲ありと、音楽の多彩な楽しさをアピール、会場には家族や知人ら約5百人が詰め掛け、熱い声援を送って盛り上げていた。友人の両親の応援に来た延岡市昭和町2丁目、公務員佐籐洋一さん(25)は「ギターを弾く指の速い動きは参考になる」と熟練の技に感心していた。グランプリはブルーグラススティション(宮崎市)、準グランプリは座・今一歩(同)に決まった。ブルーグラスのリーダー島田谷次男さん(51)は「楽しみながらやっている。演奏の機会と賞をもらえて幸せ」と喜んでいた。

ラタム誌に「おやじバンド万歳!」リポートとして会場の様子が載っている。あの名コンビが特別に復活!ラタム世代の青春を彩った名ラジオ番組「洋と潤子のあなたが選ぶ歌謡曲ベスト20」のパーソナリティー樫元 洋さんと薗田潤子さんが登場!超満員のお客さんであふれる熱気!予想以上の人気に関係者もビックリ!

         

2月3日にテレビ特番として30分枠で放送された「おやじバンド万歳!」が好評だったので7月から週一番組として放送されるようになった。内容は西橘通にある音楽バー「ニューレトロ倶楽部」を舞台に「おやじバンド」たちが演奏とおしゃべりをくり広げるもの。常連客に「座・今一歩」のメンバーで佐籐さんや鈴木さんが顔を出し、マスターには往年の人気アナ樫元さん、女性ばかりのバンド「艶女(あでーじょ)」の美樹ちゃんがアシスタント役で出演など面白い顔ぶれで、毎回アマチュアバンドを紹介する。放送は月曜深夜1時25分から15分間。今のところローカルのマイナー番組だが内容は充実しており関係者の注目を集めている。制作はAVCがあたっており高度な編集技術も見ごたえがある。

「ニューレトロ倶楽部」は実際にあり、通常はライブハウスとしてレンタルステージ形態で営業している。番組は月一回の録画をし、深夜まで及ぶ、すべて宮崎人で、出演バンドも地元の人達なので宮崎弁がとびかって面白い。音楽をやっている人は器用な人が多くて、毎回の台本セリフもうまくこなしている。シナリオなのか本人の生言葉なのかわからないくらいだ。特に編集長の役で出演している国府さんは実際に地元タウン誌「ラタム」の編集長である。ちょっと太めの体型でユーモラスな役どころで目立っている。台本も書く器用人だ。テレビの世界では監督という用語は使わないが、監督という言葉がピッタリのプロデューサー九鬼清臣さんは、昔の11PMやシャボン玉ホリデーが大好きだったという面白人間。タウン誌とテレビ映像のコラボレイションをめざしている。動向に目を離せないユニークな番組だ。

 

音楽バーのマスター役で出演した樫元アナ。MRTの局アナとして長く活躍したが定年で退職後はフリーアナとして活動中、現役時代の担当番組は「ユアヒットパード」「テレフォン・ナイト」「洋と潤子のあなたが選ぶ歌謡曲ベスト20」「アニメランド」など主に音楽畑で活躍した。ヤマハ・ライトミュージック・コンテスト宮崎地区の司会も担当、当時エレキバンドをアナ仲間で組み市民会館で演奏するなどおやじバンド世代の音楽ファンにはお馴染みの人。この番組では司会者ではなく音楽バーのマスターとしてひょうきんなキャラクターを披露した。

       

休憩中に坂元良和カメラマンに撮ってもらった。自分でも気にいっている写真です。「おやじバンド万歳!」は、はじめ3ヶ月の放送だったが評判がよく延長された。制作関係者と営業関係者の努力である。放送時間が深夜というネックがあるもののユニークな地元制作の音楽番組としてスタッフも喜んでいる。では出演者の「総集編」のお正月も間近で炬燵に入りながら、これまでの名(迷)場面をふり返るという設定です。カメラマンはシャッター速度もスローだろうに手持ちで安定した写真を撮るのには驚いた。MRTmicc会場の入場整理券は15分くらいでなくなる。フラチナ・チケット状態である。

     

第2回のバンドコンテストは2月1日行われ、60組の中から予選を勝ち抜いたバンド10組がパフォーマンス、ビジュアルが審査基準に加わり、そろいの衣装で登場したり、ダンスを交えたりして音楽の楽しさをアピールした。宮崎市本郷北方の主婦川井千代子さんは「初めて来たが、すてきな雰囲気に酔いしれました」と話していた。延岡市の森山バンドが準グランプリに選ばれた。そのシリーズとして「おやじバンド・バトル」が放送された。謎のサックスマン(田中さん)、マスター役の樫元さんはアロハシャツ姿に変わり、局アナは竹内真理アナ。二人のアロハシャツがよく似あう。清武町の「エリア339」というライブハウスで行われた。