さようならセーラー服、柏中学校、昭和33年春。三学期になった。校庭でお別れの写真を撮る日、卒業をひかえて春まだ寒いころだった。女の子はセーラー服で友達と、男の子はイガグリ頭に学生帽だった。
中学校も、お別れだな~という気分になれず…写真屋さんが中庭で用意している、…ので撮ってもらった。でも卒業後ほとんどの人が就職して別れるという現実があり、さびしさと、そして「希望」とがあった。お別れ記念にノートをもって廻り、そこに「旅立ち」と「元気でね!」と皆が書いていた。ほとんどが大阪へ就職した。 男の子の生徒には記憶に残っているのが学生帽。その徽章。カが四つで柏。横に白線があり囲んでいる。柏中学校の徽章である。帽子にだけ使われた。卒業するとどこかえ忘れてしまっている。今は内海中学だから昔の徽章はもうない。この柏中の帽子は男の子にとっては大事であるが、いつのまにか白線をとったり、校章をみがいたりしていた。なくすと家庭科の先生に言うと新しくつけてもらえたが…
これは中学2年生の時である。もう一人前の顔をしている。 中1の時とは随分ちがう。女の子が「男子とは写りたくない!」と言って別々に写真をとった。男の子の学生帽だが、ちゃんとしたのを被っているのは数人であとは白線のないのとかもいる。井ノ上先生も大変だったろう。
後年、同級生と一緒に旅をする時、先頭をいく人に旗があった方が便利だと気づいた。修学旅行の旗である。それで柏中の徽章を旗にした。はじめ手書きだったが、卒業記念のアルバムに徽章が表紙にのっていたので復元した。旗屋さんに行って「柏中学校」と入れた旗をつくり同級生の旅行につかった。京都、奈良などでたいへん便利した。印刷してきれいな旗だった。
中学2年の女子の写真、男子と一緒に写るとその写真に(嫌がらせ)をされたりするので、学年写真は別々に撮ろう…と提案があり、井上先生も「いいだろう…」と了承された。この写真は男子は持ってなかった。そのせいか女子の表情はみんな明るい! セーラー服は制服としてあったが、普段の学校着はこの服である。セーラー服はあったが入学式や卒業式の時に着た。