ユアヒットパレード１９６５年

ラジオを新しいのを買ってもらった。中学生の頃だ。文化放送や各局から洋楽番組がとびこんできた。雑音の中から飛んでくる電波を四国の片田舎で受けて、アメリカの若者たちに流行している音楽をポピユラーミュージックという名称で、文化放送の「ユアヒットパレード」の茂木幹弘、田中まり子のコンビの絶妙など会話と音楽に心を奪われた。そして帆足まり子の「Ｓ盤アワー」もあった。夢中になった。Ｐ盤アワーもあった。「エデンの東」「誇り高き男」「星空のブルース」など外国の夢みる文化をあびた。～下の教科書はジャック＆ベテイです。中１になると英語を習う～新しいことで夢いっぱいだった。

高校になると宮崎放送ラジオでも東京からきた小田不二夫アナの「ユアヒットパレード」が始まった。日曜の昼間の放送なので聞いていた。ポールアンカの「ダイアナ」やニールセダカの「恋の片道切符」などがヒットしていた。南宇和高校では放送部に所属しており、そこの電蓄で７８回転のＳＰレコード盤をよく聞いた。四国でも南部は宮崎放送は他県だがよく入る。海の向こうの宮崎や大分の番組は日常茶飯事に聞いていた。愛媛の南海放送は入らなかった。小田アナが昭和３２年東京支社に転勤、後続の小森アナも熊本に帰るため、ちょうど日大放送学科に行っていた私が宮崎放送に合格し、番組がまわってきた。昭和４０年のことだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スタジオでしゃべるので写真記録はない！大淀川で休日に

今どんな歌がヒットしているか？これからどんな曲がヒットするか？あなたのご投票で順位を発表するユアヒットパレード！文化放送とおなじ文句ではじまる宮崎の「ユアヒットパレード」、私は四国でどちらも聞いていた。文化放送は夜。二人はかけ合いが上手だった。洋楽は好きだがそれを私が担当となると…一人で５０分、しかも毎週だ！洋楽のファンはなかなか詳しい。西村楽器店によく行ってはファンの気持をしらべた。ミュージック・ライフは月刊誌だがこれを読み情報誌は少なかった。でも自分が好きなことでしばらくすると慣れた。民放のラジオ局は宮崎ではＭＲＴだけでよく聴かれていた。私自身、好きな番組は初めて担当した「ユアヒットパレード」だ。いまでも音楽ファンの中には「昔よく聴いていましたよ！」という声をきくことがある。

　　現在の私（６９歳）　　　　　　　　　　　　　　ファンの中須さん

「中須一男さんの言葉」　僕が洋楽に関心を持ち始めた中学の時でした。友達からシングル盤をもらったのをポータブル電蓄できき、日本の歌曜曲とはちがう音でいっぺんに興味を持ちました。本庄高校になって本格的にラジオをききはじめ「霧のカレリア」「アイドルを探せ」、ビートルズの「ツイスト＆シャウト」など次々に好きになりました。ベンチャーズのパイプライン、ビリー・ヴォーンの真珠貝の歌など演奏曲が流れるのも歌曜曲とちがってよかったです。そのころ宮崎市民会館でザ・スプートニクスの生演奏を聞きました。すごく上手でした。都会から帰ってきて医療関係の仕事に就き、また４５年代のなつかしい曲をきき、気分は今もヤングです。

「樫元アナ」「私、ユァヒットパレードのファンでしたよ！」という中須さん。今でもラジオをよく聞きます。とおっしゃる。４５年まえの番組を昨日のことのように憶えていた。ベンチャーズも熱狂しましたね、宮崎市民会館に来たとき見にいきましたよ。四人でノーキー・エドワーズもいて……と話が合うのに驚いた。１０月１３日シーガイアにノーキー・エドワーズが来た時、誘い会ってコンサートに行ってみた。７９歳になっていたが、まだまだダイアモンド・ヘッドやパイプラインなど往年のテク二ックであった。

［１９６４年のユァヒットパレード］　小森アナ当時の順位を見てみよう。　１位、ポエトリー。２位、ラスべガス万歳。３位、悲しき水兵さん。４位、ツイスト＆シャウト。５位、サスピション。６位、マイボニー。７位、エンゼルトーク。８位、寂しいだけじゃない。９位、恋はスバヤク。１０位、キャントバイミーラブ。

［１９６５年のユァヒットパレード］　樫元アナ当時。　１位、アイドルを探せ　シルヴィ・ヴァルタン。　２位、恋のアドバイス　ビートルズ。　３位、真珠貝の歌　ビリー・ヴォーン楽団。　４位、夢みるシャンソン人形　フランス・ギャル。　５位、霧のカレリア　スプート二クス。　６位、ヘルプ　ビートルズ。　７位、アパッチ　ザ・べンチャーズ。　８位、夜空のトランペト　ニニロッソ。　９位、ドナウ河の漣　ザ・ジョーガーズ。　１０位、パイプライン　ザ・べンチャーズ。